モノものがたり(7)/富士清掃センター 大竹政彦さんと「捨てないごみ」

循環型社会をめざして

“富士清掃センター”という名前から、市が運営する事業所と間違われることも多いと、代表の大竹政彦さんは笑う。
「先代が、富士市で一番目立つ会社にしようと付けた名前です。ごみの回収日などの問い合わせはよくありますが、僕が分かるのでお答えしています。」

代表取締役 大竹政彦さん

富士清掃センターは、家庭ごみの回収を富士市の委託事業として行なうほか、飲食店や工場などの事業所から排出される廃棄物の回収をしている。その他、引っ越しの片付けや草刈りなども請け負っている。

大竹さんは、“捨てないごみや”を目指している。つまり、リサイクル率の向上だ。
「ごみを回収している時に、そのまま捨ててしまうのはもったいないなと感じていました。そこで、こちらで可能なリサイクルの方法を選んでいます。」

ごみとなった物を細かく砕き、リサイクルが可能な物はリサイクル加工をする事業所へ、捨てる物は埋め立て処分所へ運搬する。リサイクルというと、例えばペットボトルがシャツになるなど、新しい商品に生まれ変わるイメージがあるが、近年ではリサイクル技術が進化し、エネルギーに変わる物もあるという。

「例えば、RPFというビニールを加工した固形燃料がありますし、木製の物は、砕いてから製紙工場でボイラーの燃料として使われます。燃やす選択をしたごみでも、燃やすエネルギーで発電されるなど、なるべく再利用される方法を選んでいます。」
その他、食品工場で製造ロスとなった食品が肥料に変わるなど、リサイクルの種類はとても多いそうだ。

真空乾燥炉で食品系廃棄物を低温で乾燥させることで、肥料ほか多彩なリサイクルが可能になる。

富士清掃センターは、大竹さんの義父が創業した会社だ。約15年前の入社当初は右も左も分からずただ作業をしていたが、廃棄物のことや処理方法について知れば知るほど面白くなっていった。
大竹さんが代表となった現在は、経営理念を“捨てないごみや”、“綺麗なごみや”、“誇れるごみや”として、業界のイメージを変えることを目指している。

「この業界は嫌がられることが多いのですが、人の生活の土台を支える仕事なので、誇りを持って仕事をしています。ごみ運搬トラックはあえてスーパーホワイトという汚れの目立つ色にして、きれいに乗ることを意識しています。家庭でのごみの分別は、手間がかかって面倒くさいと感じるかもしれませんが、全部燃やしてしまうと再生されることなくただ消えてなくなってしまいます。子どもの世代のためというのはもちろんですが、まずは私たち自身のためにも、環境に配慮したごみの分別をお願いしたいですね。」

ごみを捨てるとき、自分の手から離れたらそれで終わりと思いがちだった。しかし、自分の手元を離れる物が、まだ役に立つことを知ると、自分ごととしてリサイクルを考えられる。環境保護は、自分の家庭からはじめよう。


 (ライター/針ヶ谷あす香)


ゴミ運搬トラックを白色にすることで、まめに洗車しクリーンに乗る意識を高めている。

富士清掃センター
富士市津田189-1
TEL: 0545-55-0174
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